『いつくしみの特別聖年』に寄せて

１　いつくしみは最も大切です

「わたしが望むのはいつくしみであり、生け贄ではない。」（ホセア6；6）

「まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰ってきて供え物を捧げなさい。」（マタイ5；24）

２　いつくしみは与える愛というアガペーです

アガペーは、隣人愛、「人を大切にする」行いです。

「アガペーのアニメー」とされている善きサマリア人のたとえ話（ルカ10；25～37）

「アガペーは情け（いつくしみ）深い。」（Ⅰコリント13；1～8　＜愛の讃歌＞）

３　いつくしみは正義を超えます

サマリア人のたとえ話の祭司とレビ人とラザロの金持ちは（ルカ16；20）、
善いことをしなかったが、法律的に言えばそれは犯罪ではなかったのです。

４　いつくしみは神の本当の正義に含まれます

祭司とレビ人は問われるし、金持ちは地獄に落ちます。
「傷ついた葦を折らず、燻る灯心を消さない、正義を勝利に導くまで」（イザヤ42；3）、
つまり、弱い人を助けるといういつくしみは、オプショナルな寛大さよりも本当の正義です。

５　いつくしみは正義を満たし、豊かにします

神の望みは、「正義を行い、いつくしみを愛し、へりくだって神と共に歩むこと、これである。」（ミカ6；8）

「正義には、正しさと共に心の温かさも含まれる。しかし、正しさを選んで、心の温かさを忘れた人間は、正義の名をうたって、非常に不当なことを繰り返してきたのである。」（A．カミュ―）

６　いつくしみ深い人は悩んでいる人に近寄って、その立場から物事を見ます

マリア人は近寄って、けが人の立場からその状態を見ましたが、他の二人は
「道の向こう側を通って（近寄らないように）行った。」

また、イエスはハンセン病を患っている人々に近寄りました。（マタイ8；2）

７　いつくしみは同情よりも尊敬を感じさせます

「貧しい人々、悲しむ人々は幸いである。」（マタイ5；3　＜山上の垂訓＞）

イエスの価値観は、その「幸せ」の説明になります。

即ち、愛は幸福で愛を裏切る罪は不幸だという簡単明瞭な価値観です。

なお、貧しさと悲しみは、謙遜、感謝、共感、忍耐を強めます。

この四つは、人間を愛に近寄らせます。

だから、愛である神に近くなり「貧しい人は幸いだ」という訳です。

８　いつくしみが求めるには、私が人を助けることよりも人が助かることです

自分が目立たなくても～（ルカ9；45）

従って、問題の原因とその解決を追求します。

ホームレスの人におにぎりを与えると同時に、
「何故この豊かな日本にはこんなに沢山のホームレスが居るのか」
という現状の原因と解決を求めます。

９　いつくしみは待ち望む忍耐を見せます

いつくしみの次の4点を園丁は表します。（ルカ13；6～9）

いつくしみの忍耐を明るくするためには、 この A・B・C は、忍耐を明るくします。

10　いつくしみは待つだけではなく、手伝います

「木の廻りを掘って、肥やしをやってみます」

山登りの仲間の一人が遅れる時、皆が上で待つより、二三人が降りてゆっくりと
一緒に上るのです。

11　いつくしみは相手を信じます

「来年実がなるかもしれません」

川の向こう側に行った人が戻りたい時に戻れるには、自分は川にかかる橋になるということです。

忍耐と信頼感。イエスは弟子を信じていました。

12　いつくしみはその人のために祈ります

園丁は、木のことを主人に願い求めました。

つまり…